英語試験には新たに
「書く」、「話す」が入る

 国語と数学に記述問題が入ることで、勉強する内容にも次のような幅が出るという。

「国立大学の個別試験は、前期・後期ともに記述です。ただし、旧帝大受験者を除き、ほとんどは文系理系で記述試験の内容が絞られます。文系志望の生徒は、経済学部など一部を除き、数学を記述で解く試験は、ほぼありません。理系も同様で国語の記述を勉強している人はいないでしょう。文系の生徒に数学を記述で解かせる、また理系の生徒に国語で書く力を求めるというのは大きな変化です」

 さらに、英語試験でもインパクト大な改革が決まっている。

「英語については外部検定試験の活用が決定しています。これまでの『リーディング』『リスニング』に加えて、『ライティング』『スピーキング』の4技能が試されます。これまで大学受験の勉強で、自分の考えを人に伝える学びというのは、あまり求められてこなかったのですが、英語のライティングとスピーキングでは、自分の意見をしっかり持って、人にきちんと伝える技能が求められることになります。相手の立場に立って自分の考えを分かりやすく述べるというのも、実社会で求められている能力です」

 新制度に合わせて、高校教育以前の学びにも変化が求められている。現役生としては、18年4月に高校1年生になる生徒が、大学入試共通テストをはじめて受験をする年代とあって、現場でも試行錯誤が続いているという。

「17年には約1200校の管理職の高校教諭と会話しましたが、英語教育やICT端末を使った新しい学びをはじめ、探究学習という20年をにらんだ授業も広まっているようです。これをわかりやすく例えると、高校生の間に論文を1本書き上げるというような取り組みで、公立校ではスーパーサイエンススクール約200校、スーパーグローバルハイスクール約120校では、ほぼ普及しています。中には、論文を書くだけではなく、英語でプレゼンテーションするところまで引き上げている高校もあります」

 論文を書くという行為を通して、いま学んでいることが社会でどのようにつながっているのかをイメージさせることで、学ぶ意欲の向上にもつながるという。

「論文を書くうえでは多様な知識が求められます。たとえば、ロボットについて考察しようと思えば、プログラミングが必要で、いま勉強している数学や物理が基礎になるということが分かります。ただ単に方程式を解き続けていても、数学が何の役に立つのか、どんな意味があるのかが分かりにくければ、受験勉強のモチベーションも上がりません。英語もしかりで、語学はコミュニケーションツールであって、大事なのは伝える中身。受験勉強を通して、このことに気づく機会が増えるのではないかと思います」