このとき、みんなからお金を託されたファンドマネジャーにもいろいろいて、マーケット分析を通じてさまざまな戦略を立てる人もいます。たとえば、「マーケットが好調なわりに、P社はまだ株価が低すぎる。今後もっと伸びるはずだから、多めに持っておこう」という具合です。もう少しリスクに敏感なファンドマネジャーであれば、「来月は揺り戻しを覚悟して、R社の株は減らしておこう」などと考えるかもしれません。
一方、インデックス投資信託のファンドマネジャーは、そうした個別の判断はしません。
何をするかと言うと、その市場に存在する全株銘柄を市場と同じ比率で購入します。3社の発行株式数の割合(P社:Q社:R社=2:1:1)にしたがって、すべての株を機械的に保有するのです(たとえばP社200株、Q社100株、R社100株)。
これが「誰がやっても同じ結果になるような運用」の正体です。インデックス投資信託は、市場平均を追いかけて機械的に行われるため、金融機関やファンドマネジャーごとの特性にほとんど左右されません。
実際のインデックス投資信託も、前述の「日経平均225」とか「NYダウ」といった特定のインデックスに連動しています。
インデックス投資信託とは、「市場全体の縮小コピー」を商品化したものだと言えるでしょう。このとき、どの株をどれくらいの比率で持つかについて、人間の判断はほとんど介在しません。ただひたすら“平均株価”を狙い続けるのが、この投資の特徴なのです。