【書籍紹介】

『サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される』

『サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される』
メアリー・エイケン 著・小林啓倫訳

で明らかになる、インターネットの子育てへの影響とは?

 子どもの成長とスマホ、タブレット、インターネット……

 ネットのテクノロジーは、現代の親にとって悩ましい問題になる一方、SNSやチャットなどを通じたネット犯罪、ネットいじめ、ネット依存などの問題が深刻化しています。親世代とは異なり、子どもの世代はデジタルネイティブなので、親の常識が通用しない点が、理解をより難しくしているのです。

 本書は、米人気ドラマ「CSI:科学捜査班」のスピンオフ作品「CSI: サイバー」の主人公のモデルにもなった世界的サイバー心理学者であるメアリー・エイケン博士が、デジタル・テクノロジーが人間にどのような影響を与えるか、とりわけ子どもの成長への影響を発達段階ごとに見ながら、子育ての中での効果的な活用法を検証します。

 2000年から2015年の15年間に、インターネットにアクセスする世界人口は7倍に増え、今や世界の半数近くが現実世界とサイバースペースを行き来しています。その加速は止めようがありませんが、しかし、インターネットの便利さの影には、子どもの発達に影響を与える多くの問題が潜んでいるのです。メアリー・エイケン博士よれば、

「これまで、インターネットは大人が使うものと考えられ、子どもを意識してデザインされることはなかった。インターネットは『すべてのユーザーが平等であるべき』というユートピア的なビジョンを掲げ、すべてのユーザーが平等に扱われてしまうために、インターネットは、子どもにとって問題の多い場所になっている」というのです。

 ある日気づいたら、ベビーカーにいる赤ちゃんが高価なスマートフォンを抱えて遊んでいたり、幼児が小さな指で巧みタッチパネルを操作したりしていた、などということが起きています。あるいはショッピングモールで、子供たちのグループが一緒にいながら、手にした自分のデバイスだけに目を落としているのに気づくでしょう。いつの間にかこんなそんな世界になっているのです。

 母親がスマホに夢中でアイコンタクトが不足する赤ちゃん、過激なコンテンツへの接触やネットいじめに傷つく子供、ADHDとの関係、SNS・ゲーム・自撮りへの依存、尊厳を損う メッセージが蔓延するティーンエイジャー……問題は、噴出しています。

 絶え間ない変化の中で問題に対処する確実な方法のひとつは、サイバー環境が私たちにどのような影響を与えるかについて、より深く知ることです。人々、そして自分自身が、そこでどう行動するのかを理解することなのです。

 インターポール、FBIなど世界中でサイバー事件に関わってきた経歴を持つ心理学者が、インターネット上で人間はどう大胆になるか、デジタルの時代に生きる子どもたちをどのように守り育てればいいか、現代社会が抱える問題をリアルに解説していきます。デジタル社会に生きる親世代の必読書と言えるでしょう。

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