「明日やろう」「新年度から始めよう」「締切が近づいたら手をつけよう」……私たちが、普段の生活や仕事の中でついやってしまうのが「先延ばし」だ。この悪癖は、私たちの成功を阻む大きな要因のひとつでもある。そんな人生の大敵であり、私たちの自己実現を阻む「先延ばし」について語った不朽の成功バイブル『DOING IT NOW』がついに日本で邦訳される。今回は、その邦訳版である『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』から、「先延ばし」を打開するノウハウを紹介していく。

週末だけの運動は「危険」

エドウィン・ブリス
アメリカの元経営コンサルタント。それ以前に新聞記者、編集者、上院議員秘書、ロビイストを経験。先延ばし癖と時間管理に関するセミナーを全米各地で開催して好評を博した。哲学、文学、歴史、心理学に造詣が深い。著書に『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』(ダイヤモンド社)などがある。現在、引退してカリフォルニア州で暮らす。

 先延ばしから解き放たれ、行動力をあげるためには「慢性疲労」の解消が欠かせないことは前回の記事「すぐに疲れて集中力が切れる人がすべき、たった1つのこと」で伝えた通りです。そして、慢性疲労の大きな原因の1つは「運動不足」です。有酸素運動などの定期的な適度な運動は、慢性疲労の軽減・解消に役立ちます。

 覚えておくべきことは、運動は「量」より「頻度」が重要だということです。週末にまとめて運動しても、健康の維持増進はできません。毎日か1日おきに少なくとも15分か20分の運動をすれば、効果的に健康の維持増進をはかることができます。

 興味深いことに、ある研究によると毎日と1日おきの運動では大差がないことがわかりました。しかし、2日以上の間隔をあけたり、週末だけ運動したりすると、あまり効果がないことがわかっています。しかも、危険ですらあるようです。心臓医学が専門のヘンリー・マッキントッシュ医師は、週末だけ運動する人は心臓発作の大きな危険因子を抱え、そのリスクは肥満と変わらないと警告しています。40歳以上の場合は、さらにリスクが高まるようです。

 運動は単に体力を増強するだけではなく、セルフイメージにも影響をおよぼします。肉体的に健康なら自信があふれ、精神的にも明朗快活になり、自分を怠け者とみなしているときより気力がみなぎります。そして、面倒だけれども重要な課題に取りかかる意欲がわいてきて、何事も先延ばしにしないようになり、人生を成功に導くことができるのです。