変化を極端に嫌う
「閉じてしまった人」

 次回は1ヵ月後だったので、次回もよろしくお願い申し上げますと申し上げたのだが、私の言い方が具体的でなかったためだろう、ホワイトボードには前回、私が依頼して出してもらったとおぼしきマーカーが、インクが切れた状態で放置されていた。

 それ以来、毎回その都度、「書ける状態のマーカーを黒、青、赤3本ずつ用意していただけますか」と依頼をするようになった。毎回同じ依頼をするのもイヤだが、されるほうもウンザリだろう。しかし、依頼をしなければ、マーカーが用意されないことは確実だ。

 ある時、勇気を出して、「特に毎回依頼することはうるさいでしょうからしないようにしますが、毎回、書ける状態のマーカーを使うので、準備しておいていただいてもいいですか」と言ってみたところ、意外な答えが返ってきた。「毎回のことであれば、部長に話してください」と言うのだ。どうやら、その都度依頼されたことは、その都度行うが、恒常的に実施することは、部長と決めてくれということらしい。後日、部長と話して、付箋の件もマーカーの件も、毎回依頼しなくても準備していただけることになった。ただし別の担当者によってだ。

 これはZ社の例だが、Z社に限らず、仕事の中でイレギュラーな対応が必要になったり、それまでとルールが変わる局面で、スムーズに対応できない人が増えている。恐らく、仕事の枠組みがルーチンで閉じてしまっていて、枠組みを変えることができないことが原因なのだろう。

 私は、こういう状態に陥ってしまった人を、「閉じてしまった人」と言っている。自分なりの仕事の枠組みを作り上げて、その中に閉じこもってしまい、少しでも自分の枠組みにない作業は、それがいかに簡単なことであっても「NO」と言うのが、彼らの特徴だ。