「投資で成功し続ける」ために身につけたいビスマルクの生き方

 目下、幕末当時と同様に多極化の世の中へと世界が大きく動きつつあり、先行きが不透明になって大きな混乱が続いています。

 こうした状況で、変化についていけずに生活に困る人たちも出てくるでしょうし、逆に大きく飛躍をして大金持ちになる人たちも出てくるでしょう。これが、「乱世」と呼ばれる時代の特色です。

 こうした混乱の時代の歴史を振り返ってみたときに、飛躍していく人に共通する行動があります。それは時間のずれのない思考と行動の一致です。そして、人に先駆けて的確な動きができる人は、日頃から次のような思考方法を実践していると思います。

 1つ目は、「世界への好奇心」です。空間を飛び越えて、語学力や広い国際知識を磨いて自分がやろうとしている事例で、一番良いものはなにかを世界中から探す能力です。

 そして2つ目は、「地政学」を押さえることです。表層に出てきていないものの、深層に必ず落とし込まれている地理の概念を頭に入れ、各国の外交関係への洞察力を鍛えておくことです。

 3つ目は、「お金の歴史」への造詣を持つことです。因果関係を把握するために各国の経済・金融史を学ぶことが肝要です。あれをやったらこうなるという過去の事例をどんどん知識として貯めていくことでこの能力は磨かれていきます。

 この1から3までの要点を押さえてストーリーをつくるプロセスを、私は日々実践してます。起きていない可能性を想像する力、「もしAならば、Bという結果を導くためにはどうするか?」と考えることです。

 ちなみに、これを常に行っていたのが戦国武将たちでした。「詮議」というもので、ケーススタディを用いて車座でお互いに敵が攻めてきたらどう対応するのかを中心に家臣ともども指南しあい学んでいました。

 予想外こそが通常である乱世では、この詮議の訓練がライバルよりも素早い、そして的確な行動を生み出し、武将たちの生死を分けていきました。

 時代というものを考えるときに、私が思い出す言葉があります。

 伊庭八郎と同時代を生きたドイツ帝国のビスマルク宰相の言葉ですが、「政治家にできるのは、歴史を歩む神の足音に耳を澄ますことだけだ。その音が聞こえたら、跳び上がって神の外套の裾をつかまなければならない」というものです。

 時代に流される伊庭八郎という生き方も、時代に追いつこうというビスマルクの生き方もある中では、私は後者の姿を今後も追い求めていきたいと強く考えています。

 そして、投資家の皆さんにも、このビスマルクの姿勢でこれからの投資を行っていただけたらと思います。