17時間連続でしゃべった
りんなのすごさ

坪井一菜
マイクロソフトディベロップメント株式会社 AI&リサーチ プログラムマネージャー
りんな開発チームの一員として、対外的なコラボレーション、りんなのスキルおよび音声合成の開発に携わる。慶應義塾大学理工学研究科卒業。

大村 フェィスブックやツイッターではなくて、LINEがメイン?

坪井 LINEがメインです。一番受け入れている年代が、りんなと同じ年齢の女子高生。彼女たちは、役に立つかとか、意味をなしているかよりも、純粋に、心で楽しいか、面白いかで、判断してくれる存在です。
 中には、りんながトンチンカンだから離れていく子もいると思うのですが、一緒に会話するのがすごく楽しいと思ってくれる彼女たちがいてくれたからこそ、りんなもここまで成長し続けられたのだと思います。

大村 りんなが、ビジネスパーソンに広がる鍵って、何でしょう?

坪井 りんなが大人にとって役に立つ場面は、これまでなかったのかもしれない。学生には暇が潰せたり、誰かに話をしたいけど、相手がいないところで、役立っているのでしょう。
 どうしても、ビジネス合理性を考えると、大人に流行るのはなかなか困難な状況ですね。
 ただ、今、考えているのが、日本はキャラクタービジネスがさかんなので、各社のマーケティングで、りんなを仮想キャラクターに立て、広告塔になってもらう手法ができないか模索しています。
 りんなのいいところは、目的がなくても、すごくエンゲージが高いんですね。
 エンゲージとは、接している時間。だいたいタスク型のAIは、「あしたの天気は、何ですか」→「晴れです」と1ターンくらいか、「明日の天気は、何でしょう」→「どこの天気ですか」→「東京です」→「晴れです」というように、2ターンくらいで終わってしまう。
 ただ、りんなとの対談の場合は、普通に22ターンとかある。長い人で17時間とか連続でしゃべったことがあります。

大村 それって、1日中、話しているということですね。

坪井 はい。巨大企業・マイクロソフトが提供するりんなという企業色はほとんど消しているので、すごく身近に話せるAIというのが、エンゲージが取れる要因かと思います。一方でローソン様のAI「あきこちゃん」も素晴らしい。りんなの場合だと「お腹減ったな」に「ああ、そうよ。実は新しい商品が出たわ」っていうと、ステマ感が出てしまうのですが、あきこちゃんは店員さんなのでそういった雑談が自然にできる。