AIスピーカーにとどまらず、
高速で日々進化する「対話のAI」

 CortanaはWindows 10にも搭載されており、パーソナル・アシスタントとして使える。実は、すでに声でパソコンの操作ができるのだ。

 また、実際にコラボレーションが進んでいるものとしては、Johnson Controls社の空調を調整するサーモスタットへの搭載のサービス提供が始まっているという。大谷氏は言う。

「誰が来ているか、この人はどんな温度が好きなのか、湿度や温度を把握して、空間を最適な形にしてくれる。個人や団体のニーズに合わせて空調管理ができるだけでなく、声で対応することができる。GLASと呼ばれているソリューションです」

 他にもルノー・日産アライアンスやインドのタタ・モーターズなど多くの自動車会社とスマート・コネクティッドカーの協業が進んでいる。Cortanaがドライビング・アシスタントをして、より楽しいドライビング体験を提供してくれるというものだ。

「Cortanaがドライバーの好みを知っていて、シート位置を自動的に変更してくれたりします。また、車内でスケジュールを読み上げてくれて、会議のリスジュールをしたり、奥さまの誕生日をリマインドしてレストランの予約を取ってくれたり。ナビゲーションも声でやってくれます。Cortanaが交通状態、渋滞を先に検知して迂回路を提案したり、ドライブのモードをスポーツモードにしたらどうですか、なんて言ってくれたり、好きな音楽をかけてくれたり。駐車場には自動で入れておくから、先にレストランに行っていていいよ、なんて会話ができたり」

コネクティッドカーのイメージ

マイクロソフトが、技術はあっても<br />AIスピーカーを作らない理由
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Microsoft: A unique partner in Connected Car https://www.youtube.com/watch?v=96ObB1Hz-vk

 マイクロソフトがやろうとしている「対話のAI」は、AIスピーカーにとどまらないのだ。それ以上の取り組みが、すでに進んでいるのである。

 最近では、会議時間やメール時間、残業時間などを教えてくれ、生産性を上げるためのアドバイスまでしてくれるビジネス利用に大きな注目が集まっているが、これについては新刊『マイクロソフト 再始動する最強企業』で詳しく紹介しているので、ご興味のある人はぜひ同書を読んでもらいたい。