宅配最大手のヤマトホールディングスにおいて、急増する荷物に対して人手が足りず、ドライバーが疲弊する“宅配クライシス”が顕在化したのは2016年8月のこと。
発端は神奈川県のある支店が、長時間労働などで是正勧告を受けたこと。元ドライバーがサービス残業の実態など“ブラック職場”であることを訴えた。
働き方改革の機運が高まる中、世間はヤマトに注目した。春闘では労働組合が提示した荷物の総量規制などの条件を経営側が受け入れ、妥結。従業員約4万7000人に対して未払い残業代190億円が一時金として支払われた。
前代未聞の事態は、業績にも大きな影響を与えた。例年、600億円強あった営業利益が、2017年3月期決算では半減したのだ。