

赤字家電3社の状況は当時の東芝、日産自動車の状況とよく似ているように思う。日本の3社と競合2社の最近の売上高推移は次の通り。
同様に、利益を比較すると日本の3社は赤字転落しているのに対し、競合2社は好調である。
家電3社がこれだけの赤字を出すということは、企業内部で何かが大きく間違っているのだ。今まで継続してやってきたことを、一旦不連続にしなければならない。そのためには後継社長を内部から選んではいけなかったように思う。さらに悪いことに、業績悪化を起こした前社長に対し、その責任を問わずに会長に祭り上げる愚も犯している。欧米の常識から見たらとても考えられない人事である。
3社のコーポレート・ガバナンスはどうなっているのだ。何のために社外取締役がいるのだ。何のために後継社長の指名委員会があるのだ。
なぜ日本の家電メーカーはサムスンになれなかったのか。アップルは別格としても。大きな原因は起業家精神と自己変革力の欠如である。