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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

赤字家電3社が新社長に
内部昇格者を選んだのは
ガバナンスの大失敗

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第56回】 2012年4月26日
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 赤字家電3社の状況は当時の東芝、日産自動車の状況とよく似ているように思う。日本の3社と競合2社の最近の売上高推移は次の通り。

注記(単位:兆円、100ウォン=8円、1US$=80円で換算、サムスン電子の2011年決算の発表はないので、半期決算の数字を2倍にした。)

 同様に、利益を比較すると日本の3社は赤字転落しているのに対し、競合2社は好調である。

注記(単位:10億円、100ウォン=8円、1US$=80円で換算、サムスン電子の2011年決算の発表はないので、半期決算の数字を2倍にした。)

 家電3社がこれだけの赤字を出すということは、企業内部で何かが大きく間違っているのだ。今まで継続してやってきたことを、一旦不連続にしなければならない。そのためには後継社長を内部から選んではいけなかったように思う。さらに悪いことに、業績悪化を起こした前社長に対し、その責任を問わずに会長に祭り上げる愚も犯している。欧米の常識から見たらとても考えられない人事である。

 3社のコーポレート・ガバナンスはどうなっているのだ。何のために社外取締役がいるのだ。何のために後継社長の指名委員会があるのだ。

 なぜ日本の家電メーカーはサムスンになれなかったのか。アップルは別格としても。大きな原因は起業家精神と自己変革力の欠如である。

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安藤茂彌
[トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ

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シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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