世界標準の教養として、特に欧米で重要視されているのが「ワイン」である。ビジネスや政治において、ワインは単なる飲み物以上の存在となっているのだ。そこで本連載では、『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』の著者であり、NYクリスティーズでアジア人初のワインスペシャリストとしても活躍した渡辺順子氏に、「教養としてのワイン」の知識を教えてもらう。
アメリカで高まる「ロゼ」人気
最近、ロゼワインが世界的に人気を集めています。ロゼワインとは、赤でも白でもない、透き通ったピンク色のワインです。特にアメリカでは、劇的にロゼの人気が高まり、「ロゼレボリューション」とも言える、新たな流れが生まれているのです。
もともとロゼワインは、1990年代には「ブラッシュワイン」(ブラッシュ=頬を赤らめる)、「ホワイトジン」(白いジンファンデル種という意味で、少しバカにしたようなニュアンスがある)などと呼ばれ、紙パックやお徳用サイズの大ボトルに入った安価な甘いワインでした。
しかしここ数年、それまでのロゼワインの味とイメージが一新されています。ファッション誌やインテリア系のメディアを介し、ワインに馴染みが薄かったミレニアル世代の女性のハートをつかんだロゼワインは、「#yeswayrose」というハッシュタグがSNSで流行するなど、若い世代を中心に大きな注目を集めているのです。