マネジャーが「心理的安全性」を左右する

 このグーグルの研究成果を読んで、深く納得したのを覚えています。
 というのも、私たちがコンサルティングをしてきた多種多様な企業でも、まさにそのような傾向があったからです。

 チームには、さまざまな人がいます。外向的な人もいれば内向的な人もいますし、スキルアップを図ってきたベテランもいれば、まだ経験の浅い新人もいます。気の合う人もいれば、そうではない人もいます。一人ひとり価値観も違えば、仕事観も違う。それが、人間の集団であるチームの現実です。

 その違いを受け入れて、立場の違いを超えて、お互いの発言に耳を傾ける。そして、相手の気持ちをくみとりながら、その発言を理解しようとコミュニケーションを図っていく。このように「心理的安全性」が保証されることが、「関係の質」を担保する根本的な要因だと思うのです。

 そして、この「心理的安全性」を育むのも壊すのも、マネジャーのあり方にかかっています。

 グーグルの研究でも指摘しているように、これはマネジャーが明確なルールとして示したら実現するような類いのものではありません。むしろ、マネジャーがメンバーの「心理的安全性」を保証する言動を積み重ねることで、徐々に醸成されていくものです。