金融取引のポイントサービス作戦は
利用促進につながるか?

 dポイントと楽天スーパーポイントの話ばかりではバランスが悪いので、最後にTポイントとPonta の話もしておこう。

 ポイントを「使う」のではなく、「貯める」話にはなるが、新生銀行が取引に応じてTポイントを付与する「Tポイントプログラム」を以前から導入している。新生銀行へのログインやイーネットATMでの入出金、公共料金などの口座振替、そして各金融商品の利用や資産運用でTポイントが貯まるのだ。ただし毎月のエントリーが必要なので注意しよう。

 また、ジャパンネット銀行では、キャッシュカード自体が「ファミマTカード(Visaデビット付キャッシュカード)」なので(ただし選択制)、Visaデビットでの支払いでTポイントが貯まる。金融取引で貯まるわけはないのだが、銀行口座と直結したサービスなので加えておこう。

定年後でもちゃっかり増えるお金著者・松崎のり子さんの最新刊
『定年後でもちゃっかり増えるお金術』
が好評発売中!
講談社、158ページ、1000円(税別)
リタイア後の賢い貯蓄術!
老後破綻に怯えるより、お金が貯まる暮らしに変えていけばいい。 それには何をすればいいかを5つのステップで紹介。

 そして、最近動きが出てきたのがPonta。2018年7月(個人の取引開始は8月から)に開業したGMOあおぞらネット銀行では、振り込みや口座引き落とし、給与受け取りなどで、Pontaポイントが付与される(GMOポイントとの選択制。サイト上でのID連携が必要)。ただし付与されるのが1ポイントずつと少々悲しいが、貯まったポイントは振込手数料として使うことが可能だ。ポイントを銀行の振込手数料として使えるのは、楽天銀行における楽天スーパーポイントも同様で、結構重宝する。

 また、10月15日からサービス開始となるローソン銀行。こちらでも取引に応じてPontaが貯まるようだ(詳細はHP等で確認してほしい)。

 預金金利では差がつけられない昨今、金融機関はポイントサービスでインセンティブを打ち出すようになっており、勝手に提携業種が増えていく共通ポイントは使い勝手がいいのだろう。貯まるだけでなく、金融サービス自体にももっと使いやすくなるといいのだが。

 共通ポイントの現状を俯瞰してみれば、勢いがあったdポイントが不正利用事件で一瞬たじろぎ、その隙に楽天スーパーポイントが総合力を武器に陣地を押さえ、後方では伏兵Pontaが足固め中――という勢力図が見えるような気もする。

 今後は、楽天ペイやd払いのようなスマホ決済アプリの動きが活発化するだろう。スマホ決済における顧客獲得のためにポイントを活用する動きはますます出てくるのではないか。秋以降の動きに注目したい。

(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)