2012年に世間を騒がせたのは
本当に「お笑い芸人」だったのか

 切り口を変えて、片山さつき氏と生活保護に関するメディア報道を眺めてみた。テレビ番組、スポーツ紙、週刊誌のタイトルおよび内容を「片山さつき AND 生活保護」で検索してみると、約150件がヒットする(検索対象は、テレビ番組放送データ、日刊スポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、サンケイスポーツ、デイリースポーツ、AERA、週刊朝日、サンデー毎日、週刊新潮)。明らかな重複を除くと、137件となる。初めて出現した2009年から、年ごとの件数をカウントすると、以下の通りとなる。

2009年 1件
2010年 0件
2011年 0件
2012年 125件
2013年 3件
2014年 4件
2015年 0件
2016年 2件
2017年 1件
2018年 1件

 この数値には、「ネット世論」は反映されていない。たとえば2016年秋の「貧困女子高生」報道と片山氏のコメントが呼び起こした反響を見出すことはできない。しかし、2012年の突出ぶりは明らかだ。

 民主党政権の最後の年であった2012年3月、自民党は2013年から生活保護基準を10%削減する案を示した。4月から5月にかけては、お笑い芸人・河本準一氏のスキャンダルがあった。

 同じ2012年の8月、税と社会保障の一体改革法が成立した。そして12月、衆院総選挙の結果、第2次安倍内閣が成立した。

 片山さつき氏が社会保障と福祉、特に生活保護に関して発言すると、世の中に大きな反響が起こる。そして、政治が動く。生活保護にとって、極めて発言力の大きなキーパーソンの一人であることは、間違いない。