そもそも、なぜ脳の機能は低下していくのだろうか。認知症の中でも有名なアルツハイマー型認知症、さらにパーキン症候群など認知症以外の脳神経の病気には、ある共通点がある。それは、「脳にシミがあること」。具体的には、脳に「アミロイドβ」と呼ばれるたんぱく質がたまり、それが正常な神経細胞を壊すことで脳の委縮が起こるのである。つまり、このアミロイドβが「脳のシミ」であり、これが蓄積されることが脳機能低下の原因となるのだ。

 最初に挙げた生活習慣は、どれも「脳のシミ」をつくりやすいものであり、これを続けるとアルツハイマー型認知症などを引き起こす恐れがある。

 しかし、アミロイドβを除去しても病気が治るわけではない。たとえば、肌のシミをレーザー治療で除去しても、また紫外線を浴び続ければシミはできてしまう。それと同様に、脳のシミを除去できても、また何らかの理由でシミができてしまえば症状は悪化してしまうのだ。さらに、脳のシミは、肌のシミと違って目に見えないだけに、除去するほどたまっているかどうかも確認しにくいのも難しいところである。

 そこで、現在アメリカの抗加齢医学会では、アミロイドβを除去するのではなく、「なぜアミロイドβがたまってしまうのか」「アミロイドβをためない体をどうつくるか」にシフトしてきている。つまり、今や「シミをとる」のではなく、「シミをためない」「シミを排除できる体にする」ことが新常識になっているのである。そうなると、その場の対応ではなく、日々の生活習慣の積み重ねがより重要となってくるだろう。

肌に“シミ”がない人はボケにくい!?

 失礼な言い方かもしれないが、久しぶりに会った人を見て急に老け込んだと感じることはないだろうか。この時、私たちが何をもって“急に老けた”と判断するかというと、シミやシワの見た目である。さらに、がんの患者はシミとシワが非常に増えることからもわかるように、シミは老化だけでなく病気のサインでもあるのだ。

 一方で、シミもシワもなく見た目も美しい人は、往々にして話し方も理路整然としており、ボケなどとは程遠い印象を受けると著者はいう。皮膚にシミが多い人は脳にもシミが多いとは言い切れないが、皮膚にシミが増えるような生活をしている人は、脳にもシミが多い可能性は高いだろう。皮膚のシミの大きな原因は紫外線だが、実は体内でシミができやすい状態になっていることも考えられる。シミができやすい状態とは、一体どのようなものなのだろうか。