例えば、先進国の就学ビザでは原則労働禁止だが、日本では1週28時間以内は可能など、抜け穴の度が過ぎる。先進国のビザは、就労条件について厳格に定められており、その点、日本のビザでは曖昧であることが問題だ。

 この際、入管法改正によって、先進国並みの在留資格にして就労条件を明記する必要がある。そしてこれを適切に運用することによって、日本人の雇用が失われないようにしなければいけない。

 また、労働者でありながら、労働基準法を事実上、適用していない技能実習生の存在は理解しにくい。

 今回の入管法改正案が、これらの留学生アルバイトや技能実習生に新たな在留資格を与え法的にきちんと認めるだけなら、今の外国人労働者の総数は変化しないから雇用環境に影響ない。しかし、少子化のために外国人労働者の受け入れを拡大するという政府の方針では、結果として、日本人の賃金を下げるだけになるだろう。

「3ヵ月在留」で国保加入は緩い
「1年超」などに改正を

 それと同時に、在留者やその家族の国民健康保険などの適用でも、これまで「不適切使用」が何度も指摘されてきたので、誰からも文句の言われないような制度作りも必要である。

 まず、日本の仕組みを簡単に述べておきたい。

 民主党政権時代の2012年7月に外国人登録制度が廃止され、それに伴って、在留資格1年未満では国民健康保険に加入できなかったものを、3ヵ月を超えて在留する外国人は国民健康保険に加入することになった。

 外国人登録制度を廃止し、在留カードにより住民基本台帳で管理するのは理解できるとしても、3ヵ月在留資格により国民健康保険に加入できるのは異論があるのではないか。

 海外ではどうなっているのか。

 日本と同様の皆保険のイギリスでは、6ヵ月以上の長期滞在者へのビザ発行の際、一定の医療保険料を支払うシステムになっている。

 皆保険のオーストラリアは、オーストラリアへ相互健康保険国(英国、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、イタリア、ベルギー、アイルランドなど)からの訪問者のほか、永住権を保持している人がメディケアの対象となっている。

 しばしば社会保障の優等生といわれるスウェーデンも皆保険だが、滞在が1年以上で住民登録すれば医療保険制度への加入が可能だが、1年未満では加入できない。