「過剰ベッドの適正化」「医療過疎」問題を考える
Photo:PIXTA

古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。第23回は戦前と戦後に製作された日本映画の『暖流』、さらに2009年製作の『ディア・ドクター』を取り上げつつ、政府が進めている医療提供体制改革、特に過剰な病床の適正化や医療過疎といった問題を取り上げます。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

「作られたベッドは埋まる」法則
都道府県別ベッド数と医療費に相関関係

 政府は医療制度改革の一環として、過剰なベッド数の削減を目指しています。実際、人口1000人当たりのベッド数は13.1床と世界一。日本が人口減少局面に入っていることを考えると、地方部を中心にベッドが余ることも予想されています。

 もちろん、患者の視点で見るとベッドは多ければ多いほどいいのですが、医療経済学では「A built bed is filled bed」(作られたベッドは必ず埋まる)という法則性が以前から指摘されており、日本でも都道府県別のベッドの数と医療費の間に強い相関関係が見られます。

 つまり、ベッド数が多いことは医療費を引き上げる要因になっており、その分だけ私たちは多くの税金や社会保険料を払っていることになるわけです。