緊張をなくそうと考えず
むしろ緊張を楽しむ

 私自身、多種多様な緊張状態を経験し、また、まわりの人が明らかに緊張によって動揺している場面にも数多く接してきて、気づいたことがあります。

 緊張には2つの種類──

「ポジティブな緊張」
「ネガティブな緊張」

 ──があるということ。

 前者は文字通り、前向きな緊張です。新しいことにチャレンジするとき、実力を試すとき、ハードルを乗り越えるとき、使命を果たそうとするとき……などに起こるもの。

 緊張によってやる気が出て、事を成功に導くためのパワーが高まります。たとえ結果がうまくいかなかったとしても、本人の糧となり成長につながります。

 一方、後者の「ネガティブな緊張」は、プレッシャーやストレスで身動きがとれなくなるような状態です。本人の成長につながりにくく、長く続くと心身を傷める原因にもなりかねません。

 さきほどお伝えした「緊張しにくい性質」とは、緊張をネガティブなものではなくポジティブなものに受け止められるということ。

「緊張をなくそう」という意識ではなく、「緊張を当たり前のこと」として考えられるのです。

 さらに言えば、「緊張を楽しむ性質」になれば、緊張の向こうに「光」が見えるようになります。

 緊張というスクリーンを突破していかなければならない場面に遭遇しても、光に向かっていると意識できていれば、「乗り越えがい」があります。

 乗り越えると、ひと回りもふた回りも成長できる。

 これが、その先に何もない暗黒の世界だと、それは避けたくて避けたくて仕方がない状態ですから、そもそも乗り越えようとする気持ちが起こりません。

 このように、「ポジティブな緊張」は、私たちが成長するために重要な役割を果たしているのです。