また、一部報道によればJICは「ソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)」として世界各地のベンチャーキャピタル(VC)やベンチャー企業に投資するという。

 しかし、VC投資はやや大袈裟に言えば、「千三つ」(つまり千の投資先のうち3つ当たればいい)というハイリスク投資でもあり、適切なマネジメントが不可欠だ。政府が国民の税金でそういう事業をすることの是非や、あるべき経営体制について、きっちりと国会で議論された形跡はない。

事務次官や日銀総裁を
はるかに超える破格の報酬案

 そんな経緯で発足したJICの報酬制度の案が11月初旬、一部メディアに掲載された。社長に就任した田中正明氏がインタビューに応じていることから、この報道はJIC幹部公認の記事だ。

 報道によれば、田中氏を含む同機構の4人の代表取締役を対象に固定給、短期業績報酬、長期業績報酬の3段階からなる報酬制度を導入するという。その固定給は年間1500万円程度、短期業績報酬は年間4000万円程度、そして、長期業績報酬は投資収益の20%を原資とし、支給条件や上限額(7000万円程度)を設けるという。

 具体的な報酬額は、同機構の社外取締役からなる報酬委員会で決めるとされ、公表されない可能性がある。

 短期業績報酬は恐らく固定給に近いものと思われ、同機構の代表取締役4人の報酬は、少なくとも年間5500万円程度、最大1億2000万円程度になると想定されている。これは省庁の事務次官(年間2300万円程度)や、日銀総裁(年間3500万円程度)をはるかに超える破格の報酬となる。

経営陣の選任は
慎重さが求められる

 そもそも民間でできることを国がすることの意味は何なのか。