コンタクトレンズの度数に
「モノ・ヴィジョン法」を採用
老眼は水晶体の問題なので、レーシックのように角膜を手術しても治りません。また、老眼に効く目薬もありません。そこで私がお勧めしたいのは、左右のコンタクトレンズを、「モノ・ヴィジョン法」を考えた度数に変えることです。
「モノ・ヴィジョン法」とは、主に見る優位眼で遠くを見て、他眼の非優位眼で近くのものを見る方法です。つまり、優位眼は遠くを見えるように度数を合わせますが、非優位眼では近視矯正を少なくして近くに度が合うように、近視をわざと少し残すことです。
人間は目から入った光情報を網膜で電気信号に変えて、脳の後ろの後脳に伝えます。この電気信号の情報は細かな要素に分かれて脳細胞に入ります。この要素は側脳で再度組み立てられ、前頭葉で何を見たかを認識します。右か左のどちらの目から入っても情報はバラバラになり、良い情報が抽出され組み立てられるのです。左右どちらの目から入ったかは情報としては全く関係ないのです。片方の目から遠くの情報が入り、他方の目から近くの情報が入っても、前頭葉がどちらを選ぶかだけです。脳が近くを見ているか遠くを見ているかを意識するだけなのです。
私自身が思いついて、世界で最初に披露した方法がこの「モノ・ヴィジョン法」です。優位眼を遠くに合わせて、非優位眼を近くに合わせる「モノ・ヴィジョン法」は、白内障手術の単焦点レンズでの眼内レンズ度数決めや、メガネ度数などにも、広く応用が利きます。
モノ・ヴィジョン法の効果は絶大的です。両方の目で見ていれば、近くも遠くもピントが合った像が見えます。多くの方々が、日常的にはメガネがなくても、見え方として十分良好な生活ができるようになるのです。