桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

信頼されている人が「数字」で客観的に指摘する

 算数の問題が10問あったとして、そのうち6問が正解なら、男の子は「お、半分以上できてる」「俺って算数、得意じゃん」と肯定的に捉えます。

 ところが、女の子の場合「6問しかできなかった」「だから、私は算数が苦手」と負の連鎖をさせていきます。本当は結構できているにもかかわらず、自ら「苦手」を増やしてしまうのです。

 もっとも、あくまで6問も正解しているのですから、この段階ではとくに困ったことは起きません。まずいのは、失敗を嫌う女の子が「なるべくやりたくない」と逃げてしまうことにあります。

 10問中6問できている算数なのだから、やればもっと伸びるのに、なるべく離れようとしているうちに、本当に不得意教科になってしまいます。女の子は、こうして「嫌い」「苦手」を自らつくり出し、そこに逃げ込んでしまうことで自意識が傷つかないようにしています。

 実際にできなかったときのために、「だって、私それ苦手だから」という言い訳を用意しているわけです。その気持ち、わからないでもありませんが、そのままではトライ&エラーができず、成長が妨げられます。苦手ではないものを苦手に感じてしまっているときは、その認知の歪みを正す必要があります。

 女の子は、信頼関係を築いている人のアドバイスには耳を傾けてくれます。また、エビデンスを重視しますので、数字を出して客観的に指摘するといいでしょう。

 「10問中6問できているというのはなかなかすごいよ。だって、半分以下しかできていない人のほうが多いんだから」

 「ということは、○○ちゃんは、本当は算数が得意なんじゃないかな」

 「でも、7問できたらもっと自信になるよね。だったら、もうちょっとやってみようか」

 こうして、一緒に分析しながら、丁寧に認識を変えてあげましょう。我が子を愛していればこそ、「おまえならできる!」と松岡修造方式のポジティブ変換をしたくなるでしょう。しかし、女の子はエビデンスがないことは信じません。「お父さん、それ、なにを根拠に言ってるの?」と指摘されないよう、しっかり準備して臨んでください。