桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

失敗がとにかく嫌い

 女の子は、しっかりした「良い子」でありたいという願望が強いため、それに反する要素が自分に起こることを極端に嫌います。

 その典型が苦手教科。男の子は自分が得意な教科ばかりやりたがり、そのせいで苦手な教科の点数が低くなっても気にしません。一方で、女の子は「点数の低い教科がある」ことが気になって仕方ないのです。

 もっとも、それが「すべての教科を頑張ろう」というプラスの方向に働けば悪いことではありません。しかし、たいていの場合、失敗を嫌がる特性は、その子を小さくまとめてしまいます。

 VAMOSで算数を教えていても、公式など自分が解き方をわかっていたり、私が「誰でも解けて当たり前だよ」と言った問題については、女の子はすぐに手を動かします。

 ところが、ちょっとでもファジーな部分があって解き方に迷ったり、私が「難しいぞ」と言っただけで、実際にはできる問題であっても、女の子の手は止まってしまいます。「やってみたけれど間違った」という結果をひどく恐れるからです。

 こうした特性を看過していると、「チャレンジしないためにいつまで経ってもできない世界」が生まれてしまいます。幼い頃は優秀だった女の子が、あるときから頭打ちになってしまう原因がここにあります。

 卑近な例で恐縮ですが、私の知人女性が最近、離婚しました。すでに5年以上前から夫婦関係は破綻していたようですが、彼女は「自分の結婚が失敗だったと認めたくない」という思いから、なかなか離婚に踏み切れないようでした。

 実は、周囲の私たちは、誰も彼女が失敗したなどと思っていないのですが、そこを気にしてしまうのが女性ならではの部分なのかなと思います。もちろん、周囲から良い評価をしてもらいたいという思いは、頑張りにもつながり、なんら否定されるべきものではありません。ただ、失敗に対する認識を歪めてしまうのは得策ではありません。

 女の子を伸ばす上で、いかに 「失敗は悪いことではない」 と気づかせてあげるかが重要になってきます。トライ&エラーではなく「トライトライトライトライ&エラー」くらいの割合で、失敗の数を減らしながら、慎重に経験を積ませてあげましょう。