小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブが共同開発した「オプジーボ」は、20年以上の時間と資金を費やし、京都大学と共同研究により2014年に発売へと至りました。発売当初の極めて高い薬価はその後引き下げられ、患者数の多い肺がんや胃がんなどへの保険適用が拡大したことで、大型新薬となりました。今後も医薬品業界では、買収による薬品ポートフォリオの拡充か自社開発かのどちらの方向をめざすか、戦略は分かれるとみられます。

ルネサスエレクトロニクスは買収で
車載用&通信用半導体の強化へ

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、自動運転やEVなど市場の拡大が期待される自動車向け半導体と、市場拡大中のIoT 分野 などを成長戦略の柱として経営資源を集中する戦略を進めています。 その一環として9月11日にインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を約67億ドル(約7330億円)で全株式を取得し、完全子会社とすると正式に発表しました。

 IDTはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の中核技術である通信用半導体の設計・開発に強みがあり、工場を持たず設計開発に特化したファブレス企業です。ルネサスエレクトロニクスは自動車や家電を制御するマイコンで世界トップの市場シェアを握りますが、IDTの技術を活用しIoT時代に必要な通信用などの競争力を強化します。実現すれば日本の半導体メーカーの買収額として過去最大級となります。

 10月22日、自動車部品大手のカルソニックカンセイは、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門のマニエッティ・マレリの買収を発表しました。買収金額は約8000億円の大型買収となります。

 この背景には、次世代技術の研究開発に多額の資金や多様な技術を要することに加えて、電気自動車では不要となるエンジンや排気関連の自動車部品企業の生き残りへの強い危機感があります。同社は日産自動車の系列解消に伴い、米投資ファンドの傘下に入りました。エンジン回りの部品が中心でしたが、今回の統合により、自動車部品の総合企業として生き残りを目指します。