事例発表や表彰は、今年で6回目となる「ACEフォーラム」で行われたものだ。企画・運営するのは、一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム」(ACE:Accessibility Consortium of Enterprises)で、事務局は日本IBMの本社内にある。中核となるのは、代表幹事(日本IBM)、理事(KDDI、清水建設)、監事(堀場製作所)の4社で、会員企業は日本を代表する大企業ばかり33社が参加する。

 団体名で使われるアクセシビリティとは、日本でも1990年代半ば以降に浸透したIT用語だ。端的に言えば、障がい者や高齢者なども含めたあらゆる人が、パソコンやスマートフォンなどの情報機器を使って、いかなる環境においても情報にアクセスできるばかりでなく、柔軟に利用できる環境を整備しようという技術を指す。

 この考え方を応用して、ACE代表理事の下野雅承・日本IBM副会長(65歳)は、「企業の成長に資する、新たな障がい者雇用モデルの確立を目指す」というミッションを強調する。これまで日本の企業では、障がい者は「別枠」として戦力外の扱いが多かったが、これからは健常者と障がい者が混じり合って一緒に成長するという未来を描く。

障がいの有無にはかかわらず
あらゆる人を対象に包括する

 例えば、18年中の活動で大きなものだけを挙げると、(1)ACEインターンシップ2018(会員企業14社に24大学からのべ76名が参加)、(2)会員向けの勉強会「発達障害を知ろう」(25社から65名が参加)、(3)ACE合同キャリアセミナー(関東で20名が参加)、(4)同(関西で16名が参加)などがある。

 6年前の発足当初より、積極関与してきた清水建設の宮本洋一会長(71歳)は、「年齢や性別、障がいの有無にはかかわらず、あらゆる人が共生できるインクルーシブ(包括的)な社会をつくらなければならない」と語る。最近では、日本IBMとスマホ用「音声ナビゲーション・システム」を共同開発するなど、“障がい者をアシストする技術”へと歩を進めている。