水道「民営化」よりも
タチが悪い

 一応、公的資金は入れない建前にはなっているものの、災害による被害が甚大である場合等は、事業者が多大な公的な負担を求めてくることは確実だろうし、こっそりとそれが可能な仕組みにしておく可能性がある。

 それどころか、地方公共団体側が住民の不安を払拭すると称して、自ら契約の段階でそのように申し出る可能性さえある。それではまさに「カモネギ」だが、そうなると、民間資金の活用だの何だのと言っていたのに、一体何のための水道コンセッションなのか分からなくなる。

 民間企業が「オイシイ」ところだけもっていき、尻拭いは住民の負担や税金。これが水道コンセッション問題の本質というところであろう。

 要するに、民営化ではないが、「困ったときの公的資金」とばかりにリスクを極力地方公共団体に寄せることができる分、民営化よりタチが悪いということだろう(むろん、インフラごと民間に売り渡す民営化など論外であるが…)。

 加えて、事業者といっても特定企業1社でということはなく、水道事業に強みを持つ企業を中心に金融関係の企業も含めて(コンセッションフィーの支払いもあるため)複数社の出資により特定目的会社(SPC)を設立し、これを表向きの事業主体かつお金の受け皿として、地方公共団体と運営権実施契約を締結する。

 実際に維持管理や保守等、料金の徴収等を行うのはSPCから業務の委託を受けたサブコントラクター、いわゆるサブコンであり、そうした企業はSPC参加(出資)企業やその関連会社である。

 SPCの資金調達方法は出資(株式)および融資(借入金)である。

国民の大事なインフラが
金融投機の対象に

 ここが次の問題点で、出資者に対する配当の支払い、および融資者に対する利払いが発生するので、SPCはそれを加味して料金を設定し、コストの適正化を図る必要がある。出資と融資の割合は対象事業や事業の仕組みによるので一律には言えない。