箱根駅伝「全国化」実現への高いハードル

 では、地方大学が出場枠をゲットするには、どういう方式がいいのか。

 箱根駅伝は10月中旬に予選会があり、1月2・3日に本戦が行われる。そして、11月上旬に全日本大学駅伝(以下、全日本)がある。関東以外の大学にとっては、全日本が最大目標となるため、10月中旬の予選会に出場するのはスケジュール的に厳しい。

 そこで提案したいのが、関東以外の大学は全日本を箱根予選会にするかたちだ。全日本は8位以内に入ると翌年度の「シード権」を獲得できるが、関東以外の大学が8位以内に入った場合には、「箱根への出場権」も与えるのはいかがだろうか。

 箱根予選会をギリギリ通過するようなレベルでは、本戦で戦うのは難しい。しかし、関東勢もガチンコで戦う全日本で8位以内に入る実力があれば、本戦でも上位で争えるスピードは十分にある。そして本戦で10位以内に入れば、関東勢と同様に「シード権」を与えることで、地方から新たな箱根常連校が誕生する期待感もある。

 地方の大学にとっては、全日本を戦う意味がもう1つ増えるわけで、モチベーションがさらに高まり、全日本の戦いはよりヒートアップするはずだ。

 ただし、箱根駅伝の出場チームを増やすには、警視庁・神奈川県警の許可が必要になるため、1~2校の増枠でも時間を要する。全日本で地方大学が出場権を得た場合は、その分、予選会下位通過校の枠を減らすかたちになるだろう。

 現状を考えると、今年の全日本大学駅伝は関東勢が上位15位までを占めており、地方大学の“参入”は簡単なことではない。出場権を獲得したとしても、箱根駅伝は全10区間が20km以上という長丁場で、山もある。上位争いするための戦力を整えるには時間もかかるだろう。

「箱根を捨てる」という考え方も必要

 箱根駅伝の全国化が実現すれば、全日本大学駅伝、箱根駅伝、それから地方が活性化されていく。それは素晴らしいことではあるが、日本長距離界にとっては危うい状況を生み出すかもしれない。

 その理由はなぜか?箱根駅伝という種目はグローバルスタンダードとはいえないからだ。学生長距離界は“箱根至上主義”に傾き、世界に羽ばたくための準備が中途半端になっている側面もある。それが将来、日本の長距離界にとってマイナスに作用する可能性を秘めているのだ。