現役続行を表明した三浦知良1月11日、横浜FCがFW三浦知良との契約更新を発表。50歳を過ぎても現役を続けられる秘密とは? 写真:アフロ

日本サッカー界の歴史に名前を刻んできた、大ベテランと呼ばれる選手たちが相次いでスパイクを脱いだ今オフ。リーグ戦でゴールを決めた最年長のプロサッカー選手として、ギネス世界記録に認定されている永遠のレジェンド、FW三浦知良の契約更新が今月11日に所属する横浜FCから発表された。留学先のブラジルでプロ契約を結んだ1986年から数えて、実に34年目となる戦いの舞台へ。日本代表でともに戦った盟友たちが指導者を含めた新たな人生を歩み始めて久しい中で、今シーズンの開幕直後の2月26日には52歳になるカズが現役を続ける理由を探った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

1月11日、横浜FCとの契約更新を発表
34年目の「プロサッカー選手生活」突入

 今年も恒例の瞬間が訪れた。1月11日午前11時11分。ピッチに立つ度にJリーグの最年長出場記録を更新し続けるレジェンド、51歳のFW三浦知良との契約更新が横浜FCから発表された。

 愛車のナンバーにするほどカズが強くこだわる、背番号の「11」にちなんで契約更新が発表されるようになって久しい。ブラジル時代から数えて、実に34年目となるプロサッカー選手生活に挑むカズは、横浜FCを通じて新シーズンへの意気込みをコメントしている。

「2019シーズンの契約を更新しました。これもいつもサポートしていただいている皆さんの支えがあってこそと、感謝しています。ありがとうございます。1試合でも多く試合に出場し、1分、1秒無駄にする事なく、サッカーと向き合い全力で日々のトレーニングに臨んで行きたいと思います」(原文のまま)

 昨シーズンのカズはすべて途中出場で9試合、時間にしてわずか59分間のプレーにとどまった。最も長くプレーしたのは、7月1日のレノファ山口戦の18分間。リードを3点に広げた後に、エースストライカーのイバとの交代で敵地・維新みらいふスタジアムのピッチへ送り出された。

 レノファ戦に象徴されるように、負けている場合を含めて、大差がついた後の出場がほとんどを占めた。3分以内だった出場も5試合を数え、ゴール数は4年ぶりのゼロに終わった。あくまでも常識的な考えに則れば、契約更新は極めて難しい成績だと言っても決して過言ではない。