また、長期金利は10年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買入れを行っています。この買入れ額については、保有残高の増加額のめどを年間約80 兆円ペースとすることを維持しつつ、買入対象の平均残存期間の定めを廃止しました。

 長期国債以外の買入れについては(1)ETFおよびJ-REITについて、保有残高がそれぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行い、(2)CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持するとしています。

 もう1つは、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」です。これは、2%の「物価安定の目標」達成に向けて、予想物価上昇率を引き上げることを目的としています。すなわち、物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続すると約束することで、「物価安定の目標」の実現に対する人々の信認を高めようとしています。

 日銀が掲げる2%の「物価安定の目標」ですが、達成のめどはついていません。日銀は四半期に一度、経済・物価情勢の展望(展望レポート)を発表しています。この最新2018年10月分 に掲載されている「2018~2020 年度の政策委員の大勢見通し」では、今秋予定されている消費増税の影響を除いた消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しは、前回7月分から引き下げられて、2019年度は前年度比+1.4%、2020年度は同+1.5%となっており、当面2%には達しない見込みです。

 さらに、今回の金融政策決定会合後に発表される最新の展望レポートでは、足元の原油価格の急落や今後の携帯電話料金の引き下げなどを勘案して、2019年度は同+1.0%程度に、2020年度も小幅ながら引き下げられる見込みとなっており、その結果に注目です。これまで黒田総裁からは、今後さらに景気の下振れリスクが顕在化し、経済や物価見通しに大きな影響が出るような場合には、金融政策自体が変更になる可能性についての発言もありましたが、当面は様子見が続くと見込まれます。

 さて、前述した通り、日銀は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の中で長期国債やETF、J-REITなどの資産の買入れを行っています。昨年は米中貿易摩擦の影響などから株式市場が不安定に推移する中、主に株価が下落する局面で日銀はETFを買入れ、相場を下支えしてきました。