また、生産性の低さも、しばしば指摘されている問題です。日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2017年版」によると、日本の時間あたり労働生産性はOECD加盟35ヵ国中20位。1位のアイルランドの半分程度しかない、といいます。こうしたデータは、日本人は「がんばっている」のに、結果的にとても非効率な働き方になっていることを示しています。

 そもそも、日本人が忙しいのは、不要な仕事までがんばっているから。そのせいで疲れてしまい、大きなアウトプットを出しにくくなっている、ということです。しかし、あれもこれもこなそうと「がんばる」ことをよしとする働き方を続けても、目先の仕事に追われるばかりで、いずれ疲弊してしまうのではないでしょうか。

 そうならないために、「がんばらない」「捨てる」ことが重要になってきます。まずは不要な仕事を減らし、楽になり、頭を整理する。そうして、より価値の高い仕事に時間を投下することが大切です。

 僕が以前働いていたグーグルは、常に「10x(テンエックス)」、つまり「今の10倍の成果をあげよう」としている企業でした。1割、2割の生産性アップではなく、いきなり10倍なのです。それが絵に描いた餅に終わらなかったのは、グーグルの社員たちが、誰よりも効率的に、つまり「楽に」働けるよう、工夫をこらしていたからです。それも、作業を1分1秒短縮するといったレベルの工夫ではありません。10倍の飛躍を目指すからには、過去の延長線上の発想だけでなく、仕事の仕方そのものを見直す必要があるのです。その結果としてのグーグルの急成長と、世界にもたらしているインパクトの大きさは、まさに劇的なものです。

 このように、ただ「がんばる」のではなく、まずは楽になり余裕をつくること。それから仕事内容を見直し、自分にとってより価値の高い仕事フォーカスできるようにすることが大切です。それができれば、誰でもグーグルのように「世界にインパクトを与える」仕事ができるのです。

「to doリスト」は
ムダな仕事を増やす!?

「がんばる」人を見ていると、課題をクリアするためにできるだけ頭を使うというよりも、人に頼まれた仕事で to doリストをいっぱいにして、毎日忙しく働くことになってしまっているようです。たしかに、to doリストは、その日の仕事をやり忘れることなく消化でき、仕事を効率よく進めるには便利ですが、ある危険性もあるのです。それは、「成果が小さく、学びも少ない」作業ばかりを書き連ねて、それを「こなそう」とがんばってしまう点です。