まず行ったのが、地域としての「ありたい姿と必要な機能の検討」だ。

 作木町の場合、アイデア出しのプロセスを経て、各地域の自治会会長を中心として地域住民、民生委員、社会福祉協議会の関係者らによる、のべ10回の会合やワークショップを開いた。

 その中で、県の地域政策局側が司会となり「あなたたちが(この事業をしっかりと)引き受けられますか? これは、皆さんご自身の(社会)ですよ」という姿勢を明確にし続けた。

 マツダとしては、こうした会合を通じて地域から上がってくる声をしっかり聞くことで、「マツダのありたい動き」「マツダのあるべき動き」を考えた。

 実証試験は、自家用有償旅客運送という法的な建て付けだが、けっして「車両や技術ありき」で、物事を考えないように心がけた、という。

ワークショップから見えてきたこと
どういう地域、どういう移動

 県、市、町、地域住民、そしてマツダが意見交換を続ける中で、地域住民が地域における移動で何を求めているのかが、徐々に見えてきた。

 それは、3種類の移動である。

 ひとつ目は、「行かなければならない移動」。病院、役場などの公的機関や銀行・郵便局、そして買い物。

 二つ目は、「地域をつなげる移動」。お祭りなどの催事や地域の寄り合いなどの、日時がある程度決まっている目的のための移動に対する臨時便。

 そして、三つ目はこうした各種の移動を気軽に行うことができる、ドアtoドアのオンデマンド交通だ。