桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮された最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

「偏差値」よりも大切な「学力の伸び」の測り方とは?

「偏差値の伸び=学力の伸び」ではない

 親が子どもの学力の伸びを見る指標に「偏差値」があります。中学受験のための模擬試験を受ければ、たとえ小学生でも立派に偏差値がはじき出されます。ところが、そのもとになるテストは、これまで公立の小学校で学んできた内容では解けない問題が多く、最初のうちはとんでもなく低い数値になることもしばしばです。
 
 29だの33だのという、考えられないような低い偏差値を見て、「ウチの子はとんでもない大バカだ」とショックを受けてしまう親が多いのです。そして、この偏差値が伸びなければ「今の勉強の効果が出ていない」「塾が合っていない」と間違った判断をします。

 しかし、そもそも偏差値が伸びていることイコールその子の学力が伸びていることではありません。偏差値は相対的なものなので、自分の子どもが大きく伸びているのに、周囲が頑張っているために、それがなかなか偏差値に表れないということはよくあります。逆に、分母のレベルが低い模擬試験を受ければ、偏差値は高く出ます。だから、「偏差値を伸ばす」ということには、たいした意味はないのです。

 それよりも重要なのは学力を伸ばすこと。偏差値が伸びていなくても学力が伸びている子はたくさんいます。偏差値や成績はその子個人の絶対的なものではないため、急に跳ね上がったり、頑張っているのに伸びなかったりと、ある意味おかしな動きをすることがあります。

 しかし、学力は「やっただけ」伸びます。だから、私は偏差値ではなく学力を信じているわけです。私が指標にしているのは、その子が「前に教えた内容ができているかどうか」です。先週教えた内容が今週はできているかどうか。

 先週覚えたものは今週身につき、今週覚えたものは来週身につきというように、小さなステップを踏みながら確実に段階的にアップしていけば、その子は志望校に合格することができます。

 こうしてステップを踏んでいったものは、簡単に忘れ去られることはなく、積み上がっていきます。相対的な偏差値に一喜一憂することなく、子どもの絶対的学力を伸ばすことを考えてください。