実際に昨年2月、ドル円が105円台まで円高が進んだ局面で、店頭FX54社の円売りポジション(買い建て)額は、昨年1年間では最も大きい3兆0286億円にまで膨らんでいる(金融先物取引業協会調べ)。その後、ドル円が反転し円安に向かうと、買い建て額は一気に縮小していった。
そうして逆張り戦略に味を占めていった投資家が多かったが、そこに襲い掛かったのが、米アップルの業績悪化懸念をきっかけに起きた、今年1月3日早朝の瞬間的な暴落(フラッシュクラッシュ)だった。
昨年末にかけて113円台から110円を割り込むという円高の流れの中で、円売りによる逆張りのポジション(建て玉)を仕込んでいた多くの投資家は、104円台まで一気に下げる急変相場によって、大きなやけどを負うことになったわけだ。
そうして年明け以降、ドル円のポジションは大きく減ってしまい、取引が相対的に少なくなることで昨年と同様に、足元の相場も大きな方向感を欠くレンジ相場になりつつある。