運動することも、水を飲むことも
記憶力を高める効果がある

 2つ目が『運動が記憶力を高める』という事実です。これは2017年にカリフォルニア大学アーバイン校と筑波大学の共同研究で報告された画期的な発見ですが、『軽い運動を10分するだけで、記憶力が高まる』ことが分かってきたのです。

 またアイルランド・ダブリン大学の研究チームは、エアロバイクなど30分の運動後に記憶力が高まることも報告しています。実際に血液を分析したところ、運動した後の血液中では、記憶力の増進に関係すると言われている『BDNF(脳由来神経栄養因子)』の値が著しく高まることが報告されています。さらに学習をした4時間後に運動することも記憶力を増進する効果があることが分かっています。

 3つ目が『水を飲むことが記憶力を高める』という事実です。実際に子ども達に水を250~300ml飲ませると、その後の記憶力がアップすることが分かってきました。また、作業の前に水を飲むと、集中力などの反応時間がアップすることも分かってきています。

 私達の体のおよそ50~75%が水でできていると言われていますが、水分不足になると、あらゆる能力が下がる傾向があります。特に子どもは大人と比べて運動量が多いため、水分不足になりやすい傾向があります。十分な水分補給は子どもの発達に大切な役割を果たすのです。