痩せない、朝起きられない、二日酔いがつらい……。なかなか思い通りにならない、自分の体。とくに冷夏の今年は、調子が狂っている人も多いのではないでしょうか? そこで、人体の仕組みをわかりやすく解説した書籍『からだ事件簿』から、大人も知らない体との「上手な付き合い方」をご紹介します。
ど忘れの原因は「海馬」にあった!
ちゃんと憶えていたはずなのに、いざという時思い出せない……。困ったど忘れの経験は、誰しも一度あるはず。その原因は、脳の奥のほうにある「海馬」という小指大の部位にあります。
脳には、つねに大量の情報が入ってくるため、情報の価値を見極めて取捨選択する必要があります。その仕事を担っているのが、海馬です。大切な情報は保存し、いらない情報は直ちに捨てる、そんな海馬をわかりやすくキャラクター化すると、こんな感じです。
記憶の種類は、3タイプ
海馬は、情報の重要度を3つに分類します。
(1) 感覚記憶
覚えなくても困らないため、一瞬で消える記憶。車の窓から見た景色などがこれにあたる。
(2) 短期記憶
その場でだけ覚えていればじゅうぶんなので、数分で消える記憶。初対面の人の名前などがこれにあたる。
(3) 長期記憶
すっと覚えていたほうがいいので、何年も消えない記憶。自分の家の住所などがこれにあたり、もっともど忘れしにくい。
つまり、きちんと覚えていたい記憶を「長期記憶」として保存できるかが、記憶力向上の鍵となります。