大相撲に最も多くの力士を
送り込んでいる埼玉栄高校

 ところでその埼玉栄高だが、大相撲に最も多くの力士を送り込んでいる高校なのである。3月場所の番付では幕内には大関豪栄道、関脇貴景勝、小結北勝富士、東西の前頭2枚目の大栄翔と妙義龍、西前頭10枚目の矢後の6人がいる。十両には剣翔、明瀬山、英乃海、翔猿の4人。埼玉栄OBの関取が10人もいる。

 そして幕下には名横綱大鵬の孫の納谷など11人、三段目以下には9人いて合計すると30人もの現役力士がいることになる。また、引退した力士には元関脇の追風海、元小結の豊真将など13人がいる。今や埼玉栄OBは大相撲の一大勢力なのだ。

 数だけでなく、出世ぶりもすごい。大相撲の力士総数は約650人。このうち月給がもらえるようになる関取は幕内42人、十両28人の70人だ。大相撲の力士になって関取まで昇進できるのはだいたい10人に1人。関取になるのはそれほど大変なのだ。

 ところが埼玉栄OBは現役力士30人中、関取は10人。3人に1人が関取になっている。しかも来場所の予想番付では幕内に大関2人と前頭上位に3人となる。この5人の所属部屋は異なるため同窓生同士が勝ち星を争ってぶつかり合うことになるわけだ。

 埼玉栄高はインターハイ相撲競技団体で最多となる10回の優勝を誇る相撲名門校だ。全国から大相撲の力士を目指す少年が指導を受けるために集まってくる。現幕内力士の出身地を見ても豪栄道は大阪、貴景勝と妙義龍は兵庫、北勝富士と大栄翔は地元埼玉だが、矢後は北海道だ。全国から素質があり、大相撲入りを具体的目標にする力士の卵が入るのだから、そのOBが大相撲で出世する確率が高いのは不思議ではないが、順調に伸びるケースが多いのは指導も的確なのだろう。

後を追うのは明徳義塾、
鳥取城北、金沢学院

 ただ、他にも出身者が大相撲で活躍している高校もある。まず、横綱朝青龍が出たことでしられる明徳義塾(高知)。現在、幕内には元大関琴奨菊、元関脇栃煌山、徳勝龍、千代翔馬の4人がいるが、来場所の予想番付では2場所連続で十両優勝した志摩ノ海が新入幕する。幕内力士は合計5人となり、6人の埼玉栄に比肩する勢力になるわけだ。明徳義塾も全国から、そしてモンゴルからも力士を目指す少年が入っており、これからも大相撲の有力力士を輩出し続けるだろう。