お味噌汁のよさが再び注目されています。
味噌は大豆と麹、塩を原料とした、今ブームの発酵食品。味噌の中には原料が持つ栄養素の他に、発酵によって消化がよくなったタンパク質、カルシウム、炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に必須のビタミンB群、抗酸化作用のあるビタミンEなど、パワーアップした成分がたっぷり含まれます。
さらに、コレステロール低下作用のあるレシチン、サポニン、女性ホルモン様イソフラボンは前立腺がん、乳がんの予防、また更年期の症状を軽くする働きがあります。このようにいいことずくめの味噌ですが、塩分が多いことが気になります。
この問題をクリアするには、まずは(1)分量を取り過ぎないこと。1人分の味噌の目安大さじ1/2杯の塩分は、おおよそ1.2グラム。さらにだし汁150ミリリットルに含まれる塩分が0.15グラムですから、塩分の合計摂取量は約1.3グラムと低く抑えることができます。
次に、(2)しっかりだしを取ること。煮干しでだしを取ると、味噌の分量が少なくてもおいしくいただけます。そして、(3)具材にカリウムの多い野菜を加えること。モヤシやナス、ニガウリ(ゴーヤ)などカリウムをたっぷり含む食品を取ることで、ナトリウムの排出を促します。また、それ自体が塩分を含む貝類を具材に使うときは、味噌の使用量を控えめに。
味噌汁は毎日飲むことで体にいい影響をもたらす半面、塩分を取り過ぎがちというマイナス面も。この点に注意して飲み続けることで、体をより健康に導きます。
撮影/中川真理子
● 豆腐とモヤシの味噌汁
材料(2人分):
水2カップ、煮干し(小さめのもの)20本、モヤシ1/3袋、木綿豆腐1/2丁、味噌大さじ1、長ネギ4cm
作り方:
(1)水2カップに、頭とはらわたを除いた煮干しを加え15分程度置き、火にかける。
(2)(1)が沸騰したら、水にさらして水気を切ったモヤシを加える。
(3)再び沸騰したら豆腐を加えて味噌を溶き入れる。
(4)沸騰寸前に火を止め、お椀によそい小口切りにした長ネギを添える。
*煮干しは貴重なカルシウム源。小さな煮干しなら、取り出す必要はありません。