「道を譲らない人」の心理は大きく分けて3パターンあります。「道を譲らない人」の心理には、大きく3パターンある  Photo:PIXTA

通勤の混雑時、必ずといっていいほどに道を譲らない人に遭遇する。仕方なしにこちらが道を譲っても、避けるそぶりも見せず堂々と突き進んで行くのだ。道を譲らない人の心理状況と、それに腹を立てないですむ方法を、カウンセリングサービスの代表を務める心理カウンセラー・平準司氏に聞いた。(清談社 岡田光雄)

「道を譲らない人」に
見られる3つのタイプ

 道を歩いていると、猪突猛進という言葉がぴったりな人に出くわすことがある。向こう側から人が歩いて来てもゼンマイ仕掛けの人形のように、相手を全く気にすることなく前進し、半歩すら避けようとしない人間のことだ。

 平氏は、こうした人間は3つのタイプに分類できるという。1つ目は「わが道を行く」タイプだ。

「これは経営者などに多く、普段から『私のやり方で会社が回っている』と自負して生きているような人は、『自分を優先してくれるのは当たり前だ』と思いがちです。悪気はないのですが、道を譲らない傾向にあるようです」

 ただ、こうしたケースは少数派で、最も多いのが2つ目の「劣等感から虚勢をはる」タイプである。

「普段は接客の仕事をしていてストレスを抱えていたり、職場での立場が弱いなど何らかのコンプレックスを抱えている人の場合、リバウンドで『道を歩くときぐらいはワシの自由に歩くで~』とわがままになる傾向にあります。面白いもので、人が証明しようとすることは実は自分が一番信じていないこと。『俺は強いぞ、すごいぞ』と証明したがる人ほど、“弱さ”を抱えている場合が多いのです」

 3つ目は「心にゆとりがない」タイプの人間だ。

「時間や心に余裕がないときは、『どけどけどけ~!』みたいな感じで走ってしまうものです。たとえば、トイレに行きたくて漏れそうなとき、人に道を譲っている場合ではありませんよね。あるいは、常にボーッとしていて、自分の中に閉じこもっているようなタイプの人も、心にゆとりがなく、道を譲ることにまで気が回らない場合がほとんどのようです」