ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

幼児人口は裾広がり
東京の子どもはなぜ増える?

とはいえ、子どもが減っている区と増えている区は真二つ

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第5回】 2012年6月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
5

 「貧乏人の子だくさん」とは、経済的に貧しくても子どもというかけがえのない財産があるとの意味だそうだが、世知辛い現代社会では、経済的なゆとりがないと子どもも産めないのだろうか。

 上位に連なる各区の中で、異彩を放っているのが品川区だ。御殿山など一部ハイソなエリアもあるものの、区全体としてみれば住工混在の下町的イメージが強い。

 そんな品川区は、地域総出で子育てを担っていこうとする考えが強く、区の施策から末端コミュニティの取り組みに至るまで、この意識が徹底している。だから子どもが増えているのなら、納得の結果である。

 少子化時代を象徴する指標として、最近よく耳にする合計特殊出生率。2010年の全国平均値は1.39。東京23区は1.08。しかし合計特殊出生率は、結婚しているかいないかにかかわらず、1人の女性が生涯に産む子供の平均値を示している。

 結婚しない人が多い東京では、当然数値は低くなる。東京は、少子化問題が先鋭化しているのか、あるいは少子化対策の先進地なのか。

 少子化の構造は根が深く、表面的な現象だけを捉えて議論をしても、根本的な解決は得られない。未就学児に対する保育所待機児の割合(2010年)のワースト1位は港区。ベスト1位は杉並区、2位は品川区。紙幅が尽きたが、この数値が示す構造的な意味は、もう読者にはおわかりだろう。

previous page
5
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

池田利道
[一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也
[一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら

国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

「国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ」

⇒バックナンバー一覧