大塚家具は2016年12月期から、3期連続で大幅な赤字を続けています。それは純損失で2016年から順にマイナス45億円、マイナス72億円、マイナス32億円というレベルで、しかも直近の2019年第1四半期決算でもマイナス14億円の純損失と、巨額の損失が続く状況に変化はありません。

 そのため、(1)「大塚家具の業績は回復できるのか」という質問への想定解が、「回復は難しい」という感覚をもって飛び交うわけです。

頑なにこだわっていた戦略が
いつの間にか見直されている

 確かに、今の状況からの業績回復は難しいと私も思います。ただ、この点について1つ念頭に置いておいたほうがいいことがあります。それは、1年前まで大塚久美子社長が頑なにこだわり続けていた戦略が、直近の決算報告会の資料を見ると見直されているということです。

 もともと今回のお家騒動は、大塚家具が勝久社長時代に続けてきた、高級家具を会員制のメンバーにコンサルティングしながら高額で販売するという戦略を、久美子社長が否定したことにあります。

 久美子社長の考えとしては、世の中のボリュームゾーンは家具をもっと手軽に安く手に入れたい層であり、そこにアプローチすれば大塚家具はもっと伸びるのではないかというものでした。

 それで、会員でなくても店内を自由に見て回れるようにしたり、手軽な価格帯の家具を扱う新業態を展開したり、インターネット通販事業を拡大しようとしたりと、新しい戦略を打ったのですが、それが裏目に出たことが大塚家具の凋落を引き起こしたわけです。

 要するに、もっと安い家具が欲しいという層は確かに消費者セグメントとしてはボリュームゾーンであり、ニトリもイケアもそこで大きな収益を得ているわけですが、大塚家具のように超高品質で品ぞろえをするのであれば、むしろ富裕層の方に見合ったマーケットがあった、ということです。新戦略でのそうしたミスマッチが、同社に起きたことのようです。

 そこで昨年の大塚家具は、在庫一掃セールで財務体質を良化させる手を打った上で、直近ではどうやら超高品質の家具を富裕層に向けて販売する路線に、戦略を戻した様子なのです。