修羅場を救う「4つの言葉」

 断食を指導してくださった隆久先生に、

「断食中に、できるだけこの言葉を使いなさい」

 と教えていただいた4つの言葉があります。

・「ありがとうございます」
・「ごめんなさい」
・「これでよろしいですか?」
・「どうぞよろしくお願いします」

●「ありがとうございます」(感謝)
 ……自分の運命に感謝する言葉です。

●「ごめんなさい」(懺悔)
 ……「物事がうまくいったのは、自分の手柄ではない。まわりの力があったからだ」「物事がうまくいかなかったのは、まわりのせいではない。自分の努力が足りなかったからだ」と、自分の思い上がりや傲慢さに気づかせてくれる言葉です。

●「これでよろしいですか?」(戒律)
 ……戒律を守って生きようという意思です。
「戒」とは、やってはいけないこと。「律」とは、やるべきことです。

●「どうぞよろしくお願いします」(帰命)
 ……「やるべきことをやり尽くしたなら、最後は運命に委ねるしかない」という潔さを表す言葉です。

 隆久先生は、念仏のように「4つの言葉」を唱えると、心も洗われるとおっしゃいました。

 私は合理的に物事を考えるタイプですから、「念ずれば救われる」という考えは性に合いません。

 しかし、我々がこの身を借りて一生をまっとうできるのは、「人知を超えた存在」「目に見えない力」のおかげではないか、という思いがあります。

 私は特定の信仰を持たないため、その存在を「神様」と呼ぶのか、「仏様」と呼ぶのか、「宇宙の真理」と呼ぶのか、「生命の法則」と呼ぶのか、「サムシング・グレート」と呼ぶのかわかりません。

 その存在が何であれ、人間は、「自分で生きている」のではなく、「宇宙の大いなる存在に支えられて生きている」「何者かに生かされている」のだと確信しています。

 そして、「生かされている」ことに気づいたからこそ、私は修羅場を乗り越えることができたのです。

 この「4つの言葉」は、その「何者か」とつながるための「祈りの言葉」です。「ありえない」修羅場に直面して、心が折れそうになったとき。
 逆風に立ち向かわなければならないとき。
 仕事がうまくいかず、行き詰まりを感じたとき。

 この4つの言葉を思い出し、口に出してみてください。
 4つの言葉の意味を知り、意識して使っていくうちに、感謝や謙虚さが自然と身につき、経営者としての「心」が整うはずです。

 修羅場は必然である。
 修羅場は人を伸ばす。

 私は修羅場で決して逃げず、目の前のことに向き合い、その解決に全力を上げてきました。
 修羅場、修羅場でご縁に恵まれ、多くの方々に助けていただきました。ありがとうございます。