ひとり歩きし始めたブームに
振り回されていないか?

 片づけ術は一大ブームとなると、キャッチーな部分が断片的に強調されて、ひとり歩きし始めます。「ときめき」「断捨離」「ミニマリスト」などがその例です。試しにネットで「断捨離 方法」のキーワードで検索してみてください。「私はこうやって片づけを成功させました!」という個人のエピソードがたくさん上がってきます。

 自信に溢れた持論に、片づけられない方は逆に自信を削がれてしまうかもしれません。私が整理収納のサポートで伺った依頼者からも、「“ときめき”がわからない…」「かつて勢いで断捨離して後悔したことがあり、それ以来物を捨てられなくなった…」などの理由で片づけが停滞し、先に進めなくなったという相談をよく受けます。もはや呪いのようです。

 片づけ術には相性があります。合わないものに振り回されず、王道のメソッドを「いいところ取り」して暮らしに取り入れましょう。そのためにはまず「ちまたにあふれる片づけ情報の誤解に気づくこと」が大切です。皆さんも、こんな“誤解”に振り回されていないか、考えてみてください。

片づけブームが生む誤解(1)
「写真映えする部屋」をゴールと考える

 書籍や雑誌などのメディアに登場する「収納」は、見栄え良く写るようにかなり手が加えられています。普段だったらそこそこ物が出ている場所も、そのときだけしまったり、写真に写らないところに移動したりしているため、生活感の薄い、モデルルームのような雰囲気になるのです。

 写真はそういう非日常の一瞬を切り取ったものでしかありません。実際の暮らしは、人も物も1日の中で頻繁に移動しています。完成形の一瞬をゴールにすると、そこから生まれるのはリバウンドだけです。

 片づけの情報収集をしようと雑誌などの写真をご覧になる際には、「片づけきった部屋の状態」ではなく「散らかっても5分で戻せそうな仕組み」にアンテナを立ててみてください。今まで見えていなかったところに目が向いて、参考にできるようになりますよ。