ダイバーシティの観点で考えると、開成とグーグルの環境はすごく似ていたように思う。日本ではなかなか見かけないが、グーグルには、Ph.D.(博士号)を持ち、活躍するメンバーがたくさんいて、それが当たり前の環境であった。一見すると風変わりな人も多かったが、彼らはとてもリスペクトされていた。

 開成でもグーグルでも、世の中では「変わった人だ」と言われそうな人が、「そこまでオタクになれるなんて、アイツはすげえ!」と言われる文化だったのだ。とにかく何かを突き詰めてやっている人たちがすごく多い環境で、そういう人たちがマジョリティでもあったので、人と違うことがむしろリスペクトされる雰囲気があった。

実はどんな組織にも転がる
ダイバーシティと同質の問題

 ダイバーシティ経営というと、ある意味わかりやすいLGBTQとか性差、人種などの話に限定されがちではないだろうか。特に日本では、そういうイメージが強いように思う。

 もちろん、それもダイバーシティの1つだけれど、どれだけ自分のことをさらけ出せる環境をつくれるか、少数派の意見をどう扱うかということが、組織マネジメントとしてダイバーシティを考える本質ではないだろうか。

 たとえば、もともとエンジニアばかりの会社に、営業やマーケティングの人たちが続々入ってくるとする。そして、エンジニアとビジネスチームの対立が勃発したりする。こうした問題は、なにも特別なことじゃない。どんな組織であれ、人同士の面倒くさい対立やいざこざは、日常茶飯事で起こっているはずだ。

 ダイバーシティ経営という言葉を使うと、一部のマイノリティの人たちをどう扱うかというような表層的な感じに聞こえるし、やらなきゃいけないからやっているという印象がある。けれども、これまで世間でいわれてきたダイバーシティと同じような問題は、実はどんな組織でもたくさん転がっている。

 実際に、チーム間で深まっていった不信感は、実はfreeeで起こった問題でもあった。