――関連痛というのは。

生坂:実際に問題が起きているのとは別の場所に痛みなどの症状が出ることです。患部とは別の神経が痛みを肩代わりして感じさせてくれている。狭心症で「緑色になる」というのは初耳でしたが、患者さんはそれぞれ、いろんな表現をします。

 胸痛がなくて間欠的に、何かしら負担がかかる状況で出てくるへそから上の症状は、まず心臓病を考えます。例えば、何か食べた後に原因不明の頭痛がする、あるいは顎が痛い、耳が痛いとかいう場合、一度は心臓を疑います。

 特に糖尿病、脂質異常症がある高血圧の人はそう考えた方がいいですね

――心臓に負担がかかるというのはどういう状況ですか。

 まず運動ですね、次に食事。あと排便も心臓に負担がかかりますから、排便中、排便直後に症状が起きてくる場合は要注意です。

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 狭心症は決して珍しい病気ではない。

 それなのにこの男性は、複数の病院を渡り歩いた末に、生坂先生のもとにたどり着いた。ここに至るまで男性が診てもらった医師たちは、「緑色になる」との表現を聞いて即座に「気のせい」と思い込み、それ以上の問診をしなかったのだろう。

 生坂先生によると、この手の思い込みは、ベテラン医師ほど気をつける必要があるという。

「大したことない」が
組み合わさった謎の腰痛

 生坂医師のもとにたどり着く患者の症状にはもう1点、特徴がある。それは身体的要因、心理的要因、社会的要因が複合的に組み合わさって、1つの症状が出ていることだ。