テック人材を次々輩出!
世界に広がるフランスの専門学校「42」
フランスでは2013年に「42」と呼ばれるソフトウェア・エンジニアを養成するための専門学校が設立され、その動きが世界中に広がっている。創立者のザビエル・ニエルはフランスのインターネット・プロバイダや大手新聞社のオーナーで、人材不足のソフトウェア・エンジニアを養成するためにこの学校をつくったという。これまでに、およそ80,000人の応募者を4週間にわたるプログラミングのブートキャンプを行い、3,000名を合格させた。ウェブサイト上の論理テストを行えば、18歳以上の人であれば、誰でもブートキャンプを受けることができる。
この学校はダイソン大学のように大学としての学位は取得できないが、最短3年間の厳しいプログラムを修了すれば、高給が期待できるソフトウェア・エンジニアとしての職業に就く道が開ける。また複数のビジネススクールやスポンサー企業とのコラボレーションやハッカソンがキャンパス内で実施され、自分の技術をアピールすることも可能だ。また、学年の概念はないが在籍可能期間は5年間と定められている。
学校には教員はおらず、学生は選択した課題を個人またはグループによる相互学習を通じて学び、定期的に開催されるブートキャンプ(フランス語でプールを意味するピシンヌと呼ばれている)をクリアすることが求められる。カバーする範囲はC言語からゲーム開発プログラム、コンピューター・グラフィックス、セキュリティ、ハッキング、人工知能、拡張現実向けのプログラミング・プロジェクトなど幅広い。
2016年にシリコンバレーに分校を開校した際には、ジャック・ドーシー(ツイッター創立者)をはじめ、西海岸の若い成功者たちが多額の寄付を行い、パリの本校と同じモデルを運用している。2020年には東京を含む世界20拠点に42の運営モデルが各地のパートナー学校によって導入される予定だ。