一般家庭や会社では
何に注意すべきか?

 このような痛ましい大火災が起きると、自宅マンションや会社の防火態勢がどうなっているのか、気になる人は少なくないはずだ。

 そこで、3つのことをご提案したい。

 まずは日々の点検。これは建物の防火管理者を中心に行うものだが、避難経路や防火扉・防火シャッター前にモノを置いていないかをチェックするのだ。

 前述したように、ここにモノが置いてあるばかりに防火扉が作動しなかったり、避難経路に可燃物が置いてあって火が燃え広がり、避難できなかった、という悲劇は繰り返されている。

 そもそも防火扉や防火シャッターがどこに設置してあるのか、無頓着な人も多いはず。デパートなどでは、防火シャッターの下のスペースは赤いビニールテープなどで囲ってあったりする。「ここにモノを置くな」と注意を促すためである。防火管理者のみならず、社員や住人全員が、こうした意識を共有すべきである。

 そして半年ごとの点検。これは、消防法など、法令に基づく設備の点検であり、必須であるのはいうまでもない。

 さらに年に1度の避難訓練。避難経路を自分の目で確かめ、実際に通ってみたり、防火扉、防火シャッターの場所を確認するいい機会である。また、建物の防火システムがどのように作動するか、皆さんはご存じだろうか?

 例えば、あるマンションでは、あるフロアで火災が起きた場合、火災報知機が鳴るのはそのフロアと、1つ上のフロアのみ。そしてエレベーターは避難階で停止し、エントランスの自動ドアは開かなくなる、という仕組みとなっている。これは外部から入ってくる人を食い止めるためで、住民は非常用出口(誘導灯で表示されている)から外に出られる。

 こういう仕組みを知らないまま火事に遭遇した場合、エレベーターが止まったとパニックになった挙句、避難階段で転んで怪我をする、というような事態になりかねない。火災など災害時には、誰もが慌てて正常な判断が難しくなる。だからこそ、避難訓練で非常時のシミュレーションをすることはとても大切なのだ。