超安定思考を捨てて、
未来を変えろ!

新しい仕事をつくるための「強み」は自分ではわからない!松永直樹(まつなが・なおき)
ボードゲームソムリエ、ボードゲームデザイナー。世界のボードゲームのプロフェッショナル
1990年生まれ。公務員の家庭に生まれ、6歳で『人生ゲーム®』に出会い、1人でマス目をひたすら読んで遊ぶほど没頭する。中学生の時に、『カルカソンヌ』という世界で一番権威のある賞を受賞したボードゲームの面白さにハマり、以後、青春すべてをボードゲームに注ぎ込むようになる。大学3年生の時に、ドイツで開催される世界最大のボードゲームの祭典に参加し、初海外の体験で文化の違いを知り、衝撃を受ける。帰国後、ボードゲームの魅力を提供する「ボードゲームソムリエ」として活動を開始。様々なコミュニティに赴き、累計5000人以上にボードゲームを感動サプライズとして提供するエンターテイナーとして活躍。活動を通して、多くの人に出会い、その縁で『7つの習慣®』のボードゲーム制作をオファーされ、デザイナーデビュー。『7つの習慣®』のボードゲームは、クラウドファンディング「Makuake」において、日本で行われたボードゲームのクラウドファンディングプロジェクトで史上初の1000万円を突破し、話題になった。また2年後に制作した『7つの習慣®』ボードゲームの2作目『7の秘宝』もクラウドファンディングにおいて1000万円を突破し、史上2作目の快挙となる(この2作以外で、日本において、1000万円を突破したボードゲームは存在しない)。その後、大手企業のボードゲームから、人気漫画『キングダム』のボードゲームまで、さまざまなボードゲーム開発や監修の依頼を受けるだけでなく、『マツコの知らない世界』をはじめとするメディア活動にて、ボードゲームの魅力の発信や自分の大好きなことで生きることをテーマとした講演も行っている。また企業のボードゲームの研修コンサルティング、東京大学にてボードゲームの特別講師として登壇するなど、エンターテインメント以外の分野での活動も行う。
(撮影:森川亮太 撮影協力:渋谷ロフト)

 僕は、中学時代に読んだ『コロコロコミック』がきっかけで、ボードゲームにハマり、中学、高校を通して、ずっと夢中になってきました。
 でもそれは、逆に言うとボードゲーム好きという以外にたいした特徴は持っていない普通の人間ということもできます。両親ともに教師のためか、小さいころから何をしても「出来て当たり前」という感じで、めったに褒められることはありませんでした。そのせいなのか、僕は「失敗をしてはいけない」と、何をするにも安全な選択をしていました。大学は絶対に受かるA判定のところしか受けないし、就職も公務員志望という超安定思考だったのです。
 そんな僕が、大学時代にドイツに行って、遭難しかかったことから意識が変わりました。そのエピソードは本書を読んでいただきたいのですが、そのことがきっかけで「日本では失敗したって死ぬことはないだろう。だったら、いろんなことに挑戦してやる!」と、そんな気持ちになったのでした。

 それまではボードゲームが好きなことを隠していたのに「いろんな人に会いに行ってボードゲームをもっともっと広めよう」と決めて、狂ったように行動を始めることになるので、やはり「好き」という情熱に勝るものはありません。

 ドイツに行っていなかったら、そしてそのまま普通に生きていたら、わざわざ自分から、見知らぬ人に会いに行くという行動はしていなかったでしょう。自分から動いていくことで、未来が変わっていく楽しさを知ることができたのも、もとをたどれば全部、ボードゲームと出会ったおかげです。
 安定思考のままでは、ある程度予想できる未来しかやってこない。でも行動することで、自分が変わり、自分では想像のつかない未来をつかむことができるようになる、僕はそう思っています。