――演じている安西信彦と選手時代の経験に重なるところはありますか。

 目標達成までの間には、必ず問題が発生します。僕は社会人1、2年目で、当時チーム内にあった問題を解決して優勝した経験があります。アストロズのこれからがその経験と重なっていくといいですね。

――アストロズには、トップレベルのプレーを経験した選手がたくさんいらっしゃいます。

 引退して7年が経ちますが、ドラマのために筋力をつけて脂肪も落としました。最近では現役時代の感触を思い出し、いい動きができるようになった。スタートがかかる前には、全力でぶつかれるようにそれぞれの立ち位置を調整して、皆で怪我のリスクを減らしています。

 僕は西荻崇役の田沼広之さんと「100パーセントでやるぞ!」と言い合っています(笑)。

――田沼さんは齊藤さんにとって日本代表時代のチームメイト。現在は日本体育大学ラグビー部監督も務めています。

 現場ではまず、福澤監督から「ここにこうやってボールを運んで、ここでトライをしましょう」というイメージが伝えられます。次に選手たちは、監督のイメージを実現するためにそれぞれどう動くかについて打ち合わせる。ここでリーダーシップを取るのが、アストロズでも「先生」と呼ばれている田沼さんです。

 大谷亮平さん演じる柴門琢磨監督は、相手の分析をしながらチームの強みを出していく指導者。優勝するには選手との信頼関係が大事なので、この二人がこれからどうやって互いに歩み寄っていくのか楽しみです。

――どんなふうに作品を見てほしいですか。

 とにかく期待されている通り、現実的かつ迫力あるラグビーシーンを作りたいと考えています。

 そしてアストロズの廃部危機、トキワ自動車の企業再建、大泉洋さん演じる君嶋隼人の家庭問題といろいろな出来事が交錯するなか、登場人物たちがひとつの目標に向かいワンチームになっていく流れがこれからの見どころだと思います。

※本連載は雑誌『TV station』との連動企画です。
写真提供:TBS

未来につながる、パスがある。
大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。
アストロズを再生せよ――――。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーチームの再建に挑む。

『ノーサイド・ゲーム』

池井戸潤
ダイヤモンド社 刊
定 価:本体1600円+税 
発売日:2019年6月13日