母子で取り組む国語の過去問

 まずは国語から見てみよう。国語指南役の小泉浩明先生(平山入試研究所所長)は、8月から9月にかけて、「志望校よりも偏差値で1ランク、2ランク下の学校の過去問から、少しずつ取り組んでみるのが良い」と言う。

 その際に目安となるのは3割の得点。2、3回やってみて、もしこれ以下しか正答しないようなら、基礎力が足りないと判断することになる。特に、漢字や慣用句などがそうで、逆に4~5割取れた場合には、ある程度伸びる可能性も期待できる。

 それでもできない問題は必ず出てくる。物語文や論説文が苦手だったり、テーマがピンとこなかったりする場合だ。

 受験生にとっては、学校でも塾でも習わないため、初めて目にする論説文が最初のハードルになる。夏休みが終わって、6年生の2学期になってからボンボン出てくるようになるのだが、まずは最後まで我慢して問題文を読み、話の筋をだいたいでいいからつかめることが目標となる。小学生なので、100%分かる必要はない。読んでいて、ぼんやりと7割程度でも、なんとなく分かったような感じになればいい。

 『中学受験 必ず出てくる国語のテーマ』の中で分析したテーマは、10年たったいまでもあまり変わりがない。強いて言えば、AI(人工知能)やロボットのような話題が出るようになった。物語文では、離婚や男女関係など、ドロドロした人間関係が取り上げられるようになったことだろうか。「異性の気持ち」は、なかなか分からないかもしれない。

 親ができることは、子どもと一緒に問題文を読むことだろう。何よりもいろいろなテーマに慣れることが大切だ。何が書いてあるのか分からないと、子どもは絶望的な気持ちになる。そうならないよう、手助けをしてあげてほしい。

 子どもによっては、模擬試験ではいい点数が取れても過去問はからっきしダメというタイプもいる。要領の悪い子は、学校の問題の出し方のクセに慣れることが大切だろう。