「頭を使うから甘いものを補給しよう」
と菓子などを口にするのは愚かな行為!

 また、「頭脳労働には甘い物が必要だ」といまだに思い込んでいる人がいるようですが、まったくの誤解です。仕事中に糖質を補給しなければならない職業などほとんどありません。強いて言うならば山岳救助隊のような人たちだけです。

 座ってパソコンに向かっているビジネスパーソンが同じことをしたら、血糖値の乱高下を起こすなど百害あって一利なしです。

 自分にとっての「バランス良く」とはどういうものか。それを把握することが求められているのです。

「1日に30品目は食べたい」は嘘
厚労省の基準もすでに撤回されていた!

 もう1つ、修正していただきたい間違った常識が「1日30品目食べよう」です。

「栄養について細かく知らなくても、食材を種類多く摂取することで自然にバランスがとれた食事内容になる」――こうした考えをもとに、「1日30品目食べる」ことが、厚生労働省(現厚生労働省)が1985年に作成した「健康づくりのための食生活指針」で提唱され、しばらく推奨されてきました。

 しかし、これは2000年の段階で削除されています。いつのまにか「1日30品目」という表現は消えて、今では「主食・主菜・副菜を基本に食事のバランスをよく」という曖昧な記述に変わっています。

 なぜか。実は1日30品目頑張って食べると、かなりの確率で食べ過ぎることになり、結局は肥満や生活習慣病を増やすことがわかったからです。

 忙しいビジネスパーソンが1日に30品目食べるというのは、なかなか大変な作業です。それでも「健康のため」と無理して頑張ってストレスをため、あげくは肥満になっているとしたら本当にバカげた話です。

 しかし、まだ多くの国民がその「変更」を知らずに、今も古い常識に従って1日30品目を目指しています。

 ある男性は、「なるべくたくさんの種類の野菜が使われているジュースを、毎朝、飲んでいます。それだけで10品目近くカバーできるので」と胸を張っていました。しかし、そのジュースには多くの糖質が含まれており、はっきり言って「飲まないほうがいい」のです。

 そもそも、私たちは、そんなにたくさんのものを食べる必要はないようにできています。1日に30品目も食べたら、かえって体に負担がかかります。

(この原稿は書籍『医者が教える食事術2 実践バイブル――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)