「Dear Mr. Mike Davis.」このひと言で、あなたは信頼を失います。
外資系企業で役員秘書を18年経験したプロフェッショナルが、ネイティブにほめられるワンランク上の英語を語る! 「できません」「わかりません」と言えないハードな仕事から学んだ、ネイティブに一目置かれる英語とは?
ハイクラス英文法、電話、来客対応、メール、パンクチュエーション、ビジネス英単語etc。
最新刊『ネイティブにほめられる英語』の著者である西真理子氏が、そのエッセンスをやさしく語ります。
単語が聞き取れない! そんなときは?
8年ほど前、私はアメリカ人のライティングプロ講師から個人レッスンを受けていました。
当時40代後半のその先生は「近ごろのアメリカ人は学校で文法を習わなくなり、国語力の低下が著しい。私が若いころは、皆体系的に習っていたが、現在は文法の授業がないので、自分の子どもには自宅で文法を教えている。文法を知らないと、ムダな時間がかかるからだ」とおっしゃっていました。
ライティングのプロから見ても「文法をやると時間の節約になる」わけです。
ではなぜ文法を勉強すると、時間の節約になるのでしょうか。具体的にどんな「良いこと」があるのか、考えてみましょう。
たとえば、外国人と英語で話をしていて、その会話の中で相手の「Then, you will be busy next week.」のwillが聞こえないとします。
「イィ」のように聞こえるけれどわからない。そこで思考停止してしまい、残りの部分を聞いていないから会話にならなくなった。そんな話を生徒さんから聞いたことがあります。
これは「わからない単語が何なのか」に神経を集中させ過ぎたことが原因です。わからない単語をいつまでも考えていても、わからないままです。それよりも文の前後から考えれば、
・ you(主語)とbe(動詞)の間にあるのだから、助動詞か副詞だろう
・ next weekと言っているから、もしかしたら未来の助動詞のwill?
このように「推測」し、相手の話についていくことのほうが重要です。日本語でも同じはず。相手の声が小さかったり、方言がわからなかったりなど、「全体は何となくわかるけど、一部の音だけわからない」とき、わからないところをいちいち聞き返さず、「前後関係から考えると、たぶんこう言っているんだろう」と推測しませんか。
それを可能にしているのが「文法」なのです。